ミク。
クリスマスツリーを見せる為、長めのマフラーはぐるぐる巻き。コートと手袋は二重にさせて自分の腕の中にしっかりと監禁した春の温もりを感じながら飛行する冬は先刻、彼が気を失っている間に珠里夜から聞かされたある話を思い出していた。~…‥珠里夜が云っていた。【やはり春は守られる者になる子です】と。だから春は体力も能力もさほど持ち合わせていないが、その代わり観察眼やモノを造り出し、生み出す力が非常に長けている。それは全てにおいてより強力な者に己の身を守らせ、対価として裏から支え、仕える者になるべき子だからだと。その特徴が現在、他者より非常に感受性が強い。大中小の折り紙さえ与えれば造り出したいモノをハサミもノリも使わず簡単に造る。一度決意し、言い出した事は何があろうと譲らない。という性格として強く表に出ている。あのヤブ医者を相手にあそこまでの威厳を見せ、命を下し、眼力を浴びせ圧倒させたのもその為だと。
しかしまだそれを完璧に定着させ、使うという行為が出来ない為に気を失ったり、いつもの発熱、失禁、号泣に繋がるのだと聞かされた。また、そんな春が今、己の身を守って欲しい。守ってくれるなら傍でいつまでも支え、守るからと無意識に想い、心を許して好意を抱いているのは自分だと言われた事を、思い出し、自分の首筋に小さな腕を回して掴まっている春についつい熱っぽい溜息を溢し、己でも知らぬうち彼の幼い恋心まで目覚めさせ、自覚させ、意図も簡単に奪ってしまうのだ。
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