【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「准、早速、いただいていい?」
「あぁ、いいよ」
美沙は俺が座っている向かいの床に直に座ると、嬉しそうにクッキーの箱に手を伸ばした。
「どれにしようかな?」
子供みたいにはしゃぐ美沙をじっと見つめていた。
「これにしよう。いただきま〜す」
一口食べた途端、とろけてしまいそうな顔をして余韻に浸っていた。
「おいしい〜。あっ、そんなに見ても、准にはあげへんで〜!」
「はぁ?俺が買ってきたんやぞ?」
むきになり言い返すと、美沙は笑いながら、
「冗談やって!はい、准もどうぞ」
と言い、クッキーの入った箱を俺の方に近づけてくれた。
おとなげなく、むきになったのが恥ずかしくなり、静かにクッキーを食べていた。
ほんま、うまいなぁ。
そりゃ、予約せなあかんはずやわ。
「じゃあ、ここまで!あんまり食べたらお昼ご飯食べれなくなるし。また後で食べよう」
美沙らしいな。
昔からお菓子を買って貰ったら、俺はすぐに全部を食べてしまっていたが、美沙はちゃんと次の日の分を残しておくようにしていた。
そして次の日、お菓子が残っていない俺は、美沙のお菓子を羨ましそうに見ていた。
そんな俺の姿を見かねて、美沙はいつも少しお菓子を分けてくれた。
懐かしいな。
やっぱり、美沙って最終的には優しいんよな。
そんな過去の話を懐かしんでいたら、美沙に声を掛けられた。