グッバイ・メロディー
「あのね。洸介が生まれて、半年してきっちゃんが生まれたときね、いつかふたりが恋をする日がくればいいのにって、直おじちゃんと清枝ちゃんで話してたんだよ」
「え……」
「だってふたりって、生まれたときから本当に仲が良かったの。赤ちゃんのとき、洸介もきっちゃんも、母親に抱かれるより、隣どうしで寝かしてあげるほうがぜんぜん泣かなかった。わたしもまーちゃんもやきもちやいちゃうくらいだったな」
まーちゃん、というのはうちのお母さんだ。
真澄という名前、こうちゃんも清枝ちゃんにならって「まーさん」と呼んでいる。
「ああ、この子たちはきっと、生まれるべくしてお隣の家に生まれてきたんだって思った。きっと遥か昔から、どこか遠い場所からずっと続いて、ここで結ばれる縁なんだなあ、なんてドラマみたいなこと思ったりして。直おじちゃんもね、季沙が本当の娘になる日が楽しみだーってずっと言ってたんだよ」
不思議なことは本当にあるんだよ、
と、清枝ちゃんは、とっておきの秘密を教えてくれるみたいに言った。
「洸介が最初にしゃべった言葉は『きさ』だった。すごいでしょ。あの子の人生は、きっちゃんで始まってるの」