グッバイ・メロディー
なんにも変われていない。
これじゃ、前と同じ。
こうちゃんの優しいところを食いつぶして、それでもまだ、足りないというの?
こんなわたしに、本当にこうちゃんを守っていくことができるの?
清枝ちゃんを見送ったあと、いつもふたりで過ごすモノトーンのシンプルな部屋で、ずっと泣いた。
気が済むまで泣いた。
ずっと、気づいていたよ。
わかっていたよ。
最近こうちゃんが、この部屋であまりギターを弾かなくなったこと。
それは、なるべくたくさんの時間を、わたしにくれるため。
なるべくたくさん、わたしに触れるため。
なにがこんなにも気に入らないのか、本当はもう知っている。
こうちゃんのなかの、わたしの居座っている部分がどんどん小さくなっていくことが、とても怖かったんだ。
バンドがいちばん、ギターがいちばん大切で、わたしがそれ以下になることがすごく怖かった。
そして、そんなふうに思ってしまう醜い自分が、なによりいちばん、嫌だった。