明日も晴れ
ちょうど私たちの斜め前辺りで今にも停まりそうなほど速度を落としたから、私たちに用があるのかと思ったけど。
そうじゃない。
私たちの背後で、別の車の音がした。
と思ったら、アクセルを吹かしながら猛スピードで私たちを追い越していく。
邪魔だと言わんばかりの勢いで。
「ったく、危なっかしい」
今泉君がぽつりと零した。
斜め前で停まりかけていた車が、ゆっくりと走り出す。
私たちを追い抜いて行った車の後を追うように、次々と私たちを追い越していく自転車の群れ。私たちと同じ制服、同じ学校の生徒たち、同じ三年生の生徒たちだ。
競い合うように全力で駆けていく自転車の一団の、最後尾の男子生徒が振り向いた。
「よっ」と弾んだ声を発して、笑顔で手を挙げる。
あれは私と三年間同じクラスの男子。今泉君の友達。