美狐はベッドの上で愛をささやく
何が起こったのかと、激怒している和夫さんから視線を外したそこで、わたしの体質が明らかになったんだ。
自分の体を見下ろした瞬間、わたしの心臓は鼓動を止めたかのように締めつけられ、血の気が引いていくのが分かった。
わたしが見たもの。
それは――……。
わたしの腕が、誰かに握られたみたいな手の跡が赤い痣になって、くっきりとついていたんだ。
だけどそれだけじゃなくて……。
ふくらはぎや、太腿(フトモモ)も、同じようにして痣がついていた。
和夫さんは、わたしが奏美さんの首を絞めたことと――。
わたしが鮮血にまみれた成人した女性の姿に見えたことを、脅えた口調で話した。
その後の沈黙は、幼いわたしにとってすごく怖いものだった。
わたしが眠っている間に大切な人を苦しめ、
いつの間にか、自分の体に痣ができている。
これはいったいどういうことなんだろう。