美狐はベッドの上で愛をささやく

当時は、わたしを悩ます兆候は何もなく、だから父も、わたしの体質がどういうモノか知らなかった。


それが、いけなかったんだ。

幼いわたしを両親が捨てたという事実さえ追求すれば、あんな事態にはならなかったのに……。



――わたしの体質が分かったのは、まもなくわたしが幼稚園に行こうとしていたある日の夜のことだった。


その日、奏美さんたちは、父の家に泊まることになっていた。


わたしは、この小さな村で、唯一同い年の美紗緒さんと一緒に夜を過ごすのがすごく嬉しかったのを今でもよく覚えている。



――誰もが寝静まった静かな夜。


突然、苦しそうな奏美さんの声と、泣きじゃくる美紗緒さんの声が聞こえたかと思ったら、突然誰かに突き飛ばされ、目を覚ました。


体が痛みを訴える中、ゆっくり起き上がると、奏美さんは首を押さえて苦しそうに咳き込んでいる姿が見えた。


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