美狐はベッドの上で愛をささやく
「紗良君、すまない。実は君を助けようとたのは、君の魂が目当てだったと言っても過言ではないんだ。
君の魂を妻に与えられることができれば、ずっと願望を抱き、過ごしていたんだ」
そう言うと、倉橋さんはまた、わたしに向かって深々と頭を下げた。
わたしなんかに、謝ることなんて何もないのにね。
「わたし、嬉しいんです。今まで、ずっと迷惑ばかりかけてきた自分が、誰かの役に立てるっていうことが……」
やっと、誰かの役に立つことができる。
そう思うと、純粋に嬉しい。
人を傷つけずにいられることがとても嬉しいんだ。
わたしなんかがこのまま生きていたって、誰の役にも立たないどころか、むしろ紅さんのように傷つけて、もしかすると人を殺してしまう可能性だってある。
もう、あんな恐ろしいことはしたくない。
紅さんと離れてしまうのは悲しいと思うけれど……でも、それは彼のためでもある。