美狐はベッドの上で愛をささやく

*･ﾟ★｡･*この世で一番大切な貴方の幸せを願って。*

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力強い光を放つ太陽が空高くに昇っている。


地上へと降り注ぐ白い光が窓を突き抜け、クリーム色の壁を照らしていた。




わたしは倉橋さんの大切な人に魂を渡すため、早朝に冷たい滝の中へ入って身を清め、白い着物を着てここにいる。



わたしの大切な人は、いまだ眠りから覚めず、健康的な色をしていた肌は青ざめ、玉のような汗を額に浮かべていた。


時折、苦しそうに唸っている。



いつも穏やかに微笑んでいたその人は、眉間に皺を寄せ、唇を噛みしめている。



今は、この家には誰もいないみたい。

たぶん、真赭(ﾏｽﾎ)さんと生成(ｷﾅﾘ)さんは、傷ついた彼のために、必要なものを買い出しに出て行っているんだと思う。




ごめんなさい。


貴方を傷つけてしまった。



そっと謝ると、わたしは苦しそうにしている彼の胸に手を置いた。


わたしの全身を駆け巡っている霊力で、傷を和らげるめに――……。