美狐はベッドの上で愛をささやく

*・゚★。・*夢うつつ。*




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真っ白い空間に、身を委(ユダ)ね、わたしはただ、目を閉じていた。


だけどどうしてだろう。


目を閉じているのに真っ白い空間だってわかるのは……。




自分でも不思議だと思うけれど、たしかにここは真っ白で何もないところだった。



横たわった体を起こそうとするけど、指一本さえも動かすことができない。


わたしにはもう、起き上がる力さえも残っていないみたい。







……良くん。





……紗良(サラ)くん。








――だれ?





わたしを呼ぶ声に反応して、ゆっくり目を開けると、そこはやっぱり、目を閉じていた時に見えた景色と同じ、真っ白い空間が無限に広がっていた。



わたしはその場所で、地面に沈まるようにして仰向けになっていた。




ふと、足下の方から誰かしらの視線を感じた。


何気なく目だけを動かして見てみると、そこには……。


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