美狐はベッドの上で愛をささやく

思わず項垂(ウナダ)れてしてしまいそうになる。

だけど、そういう素振りは見せちゃいけない。



人を不幸にするわたしは、そういうことを思う資格なんてない。


だから、わたしはにっこりと笑い返した。



嘘でもいいから、わたしを受け入れるような言葉を言ってくれて、ありがとう。

そう言う意味を込めて……。



「……フフ、さあ、ご飯を作ろうね。

その分ではまともに食事してないでしょう?

食べられる時に食べていた方がいい」


「えっ!? えっ!? あのっ!!」


わたしはとても厄介な体質を持つ。

早くこの人から離れなきゃいけない。



そう言ったのに、男の人は何も聞いていなかったような素振りを見せて、わたしの両肩に置いていた手を離した。



「とはいえ、食事を摂っていなかったようだし、かためのご飯を口にするのは良くないね……。お粥(カユ)でも作ろうか」


えっ?

あれ?


お粥?


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