美狐はベッドの上で愛をささやく
…………えっと。
えっと…………。
部屋にひとり、残されたわたしは、ただただ困惑状態。
だって、わたしの体質を話した。
どんなに優しい人でも、どんなに霊能力が強い人でも、わたしの身の上は厄介なものしかない。
それなのに……。
紅さんはわたしを拒絶するどころか、嫌な顔ひとつしないなんて……。
パニックになるわたしの頭。
それと同じくらい、心臓は早鐘を打っている。
それに……どうしてだろう。
わたしの体の奥が、なんだかムズムズする……。
あまりにも紅さんが綺麗だからかな。
綺麗な人から美しいなんて言われたら……誰だってこうなってしまうよね?
バクバクと煩(ウルサ)い心臓を止めるため、わたしはベッドの上に顔を置いて、枯れ木の枝みたいに細い腕で、自分の体を抱きしめた。
肌触りのいい真っ白いシーツがわたしの頬に当たる……。
この感触は久しぶり。