ナイト!
***




驚きと疑惑の目が向けられる。



"東雲"という名前が与える影響がどれ程のものなのかを知ってるからこそ、出したくはなかった名前。




「し、信じられるか!こんな小娘にこのホテルがっ…」

「赤崎様、」



ボソッと、赤崎社長の耳元で呟く。

すると今まで怒り狂っていた赤崎社長の態度が急変する。



「な、なぜそれをっ…」

「なぜ?それはわたしがここのオーナーであり、ここのすべての情報は管理されているからです。ホテルご利用になられたお客様の顔を忘れるようなことはありませんから」



にこりと笑いながら感情のこもっていない声で話すあたしは、自分でも思うほどに残酷だ。



それに自分の失態を恨むといい。




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