さくらへようこそ
住職に案内されるように、寺の中を歩いた。

「こちらが納骨堂でございます」

立派な建物だった。

「ただ今、お取りいたします」

住職が納骨堂の中に入った。

「いよいよだね」

忍が美桜に声をかけた。

「うん…」

美桜は首を縦に振って返事をした後、深呼吸をした。

「こちらでございます」

両手で骨壷を抱えた住職が戻ってきた。

「これが…」

美桜は呟いた後、両手をあわせた。

忍と達也もマネをするように両手をあわせた。
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