また、キミに逢えたなら。


先生や看護師さんが立ち去った後、羽生君は壁に背中を預けながらズルズルと床に崩れ落ちた。


腕で顔を覆いながら、声をあげて泣いている。



ねぇ


誰か


ウソだと言って。



「うっ……くっ……ひっく……っ」



ごめん


ごめんね……っ。


今だけ、今だけは泣かせて下さい。



次からはちゃんと笑顔でいるから。


だから今だけは……っ。



私と羽生君は、人目も気にせずにその場で思いっきり泣いた。



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