また、キミに逢えたなら。
だけどもう、どうすればいいのかわからない。
「莉乃?」
すりガラスに影が映ったらしく、中からお母さんが顔を出した。
「みんな待ってるんだから、早くいらっしゃい」
「…………」
促されるままリビングに入る。
テーブルの上に並んだ豪勢な料理は、全部お母さんお手製の物で私やお兄ちゃん、お父さんの好きな物ばかり。
「莉乃、久しぶり」
「こんばんは」
笑顔で迎えてくれるお兄ちゃんと美緒さんに、軽く会釈で返して定位置に座った。
別に意識しているわけじゃないけど、視線はいつも斜め下を向く。
冴えない顔を見られるのが嫌だった。
「元気ないね。何かあった?」
「ううん」
視線を感じたけど、顔を上げることが出来なくてそのまま返事をする。
こんなんじゃ何かあるってバレバレ。
「莉乃ったら最近いつもこんなんなのよ」