被害妄想ダーリン

「やかましわ!
誰がお前らと歌うか!気色悪い!」


そう言って慎一さんは二人を腕から離した。
上司の言う事を聞いてずっと歌い続けていたが、限界のようだ。



「武田警部補!
僕もう寝ますんで、あとはお好きにどうぞ」


「分かったよ、森川くん!
ギャル達は俺にまかせたまえ!」



そう言って叔父さんはケツ子とチヨちゃんを見たが、
慎一さんと同時に席に戻った。



「慎一さん、
宇宙人からの攻撃を防いだ!

さすがマフィアの幹部なだけあるな…。」



まだ修司くんはしょうもない事を言い続けている。



「誰がマフィアの幹部や。
俺がそんな恐ろしいもんに見えるか?」



慎一さんはそう言って
後ろから修司くんの頭を掴んだ。



「ひいいいい!
殺されるううううう!!」



狭いバス車内で二人が暴れる。



こんな感じで十時間近く、
バスに揺られていた。



…無事、関西につくのだろうか?
< 7 / 85 >

この作品をシェア

pagetop