強引上司のターゲット
あはは…。
なんだこれ。

泣くな。泣くな泣くな。


こんなにショックを受けてる理由も今ひとつ解らないまま、でも酔いだけは覚めたらしい。


BARを出てから駅までのほんの少しの距離で起きた出来事に、あたしは自分の唇をこれでもかって程に固く結んでいる。
そして今にも溢れそうな涙を、絶対に溢すまいとする。


…あっはは!
課長に言った事、そのまま返ってきただけじゃん。

あたしが言ったんじゃん。


“守ってもらう”なんて必要ないって。


これ以上、課長に惹かれるのが…

簡単に気持ちが変わっていく自分も
人気者の課長も社内恋愛も。
失恋も。


全部が怖くて、要らないって言ったのはあたしだ。


全部が手に入らないなら少しも要らないなんて逃げたのは、あたしだ。



………




………でも






だけど………







…今更?


うん。…今更、だけど。





もう会わないって言った。


好きなんて、言っていいのかわからない。



好きなんて、言ってもらえない。




でも…それでも。






課長に会いたい。


会いたいなぁ…


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