確信犯
この行為に、愛はない。
世界が一瞬で濡れたとしても。
瞳も、唇も、肌も。
匠の全部が、私のタメだけに動いていたとしても。
匠の厚い胸板の下で。
滑らかな肌から生まれるミストを浴びながら。
隆起した筋肉の線をなぞる。
今まで、自分の中に潜ませていた感情が堰を切って。
上になり。
下になり。
ただ、むさぼり合う。
――これは、欲望だ
匠の感触だけが。
研ぎ澄まされていって。
カタチを覚えていく。
骨盤に手を添えて。
誘導される腰の動きが。
艶かしくて。
たまらなくなる。