確信犯
従姉、雅と愛し合った白澤有雅。
彼らの母親は、姉妹で。
姉妹の両親も、従兄妹だった。
『血縁関係が近すぎる』
親族からの反対を受けて。
2人は海外へ逃亡した。
長男、匠が産まれて。
親族に日本へ連れ戻されたのは、白澤有雅ただ一人。
日本で。
一族経営の白澤印刷に携わり。
人目を盗んでは。
海外出張で従姉、雅と重ねる逢瀬。
二年後。
長女、八重が産まれて。
これ以上はイケナイ、と。
白澤本家の娘と白澤有雅の、政略結婚が企まれた。
白澤有雅は。
本家とは遠縁の分家出身。
そして、眉目秀麗だった。
本家の娘が、一目惚れするほどに。