確信犯



――21年、経ったんだ


私のカオなんて覚えてるワケない







もはや呆然自失の男、白澤有雅。


私はまだ、たたみかける。






「柿原の祖母を覚えていますか?」






私の祖母。


白澤有雅の従姉である雅の、母親。






「柿原の祖母は娘の――私の母、雅(ミヤビ)が海外で死んだコトも、孫がいるコトも知りませんでした」






――アナタが、隠したからです






「娘、雅が発狂して死んだらしいと知ると、理由を怪しんで調べ上げたそうです。柿原の祖母は、孫の私を必死に探し出しました」






誰にも知らせず、逢いに来た祖母。


私はその時、7歳だった。





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