確信犯
続いて。
響いた声のトーンは。
さっきと、変わっていて。
「何か、悩み事とかある、ならさ。奥平チーフに言えよ。まぁ、俺でもいいけど」
今度は、完全に。
見当違いの思考回路。
「お前のこと、よく知らない。金を遣って調べるのは簡単だけど、それじゃお前を“知る”ってことに、ならないだろ」
ああ、もう。
これだから、下手にお金持ちは。
いや。
無駄にキレイなカオ、のせいか。
感情を。
見せるつもりもなかった相手に。
私の、苛立ちは。
募る一方というよりも。
ドコかに、一気に突き抜けた。