確信犯



続いて。


響いた声のトーンは。


さっきと、変わっていて。






「何か、悩み事とかある、ならさ。奥平チーフに言えよ。まぁ、俺でもいいけど」






今度は、完全に。


見当違いの思考回路。






「お前のこと、よく知らない。金を遣って調べるのは簡単だけど、それじゃお前を“知る”ってことに、ならないだろ」






ああ、もう。


これだから、下手にお金持ちは。






いや。


無駄にキレイなカオ、のせいか。






感情を。


見せるつもりもなかった相手に。






私の、苛立ちは。


募る一方というよりも。






ドコかに、一気に突き抜けた。





< 57 / 500 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop