確信犯
身じろぎした、匠は。
すぐに長い足を組み換える。
横に形よく引き結ばれた唇。
深い彫りの目頭に、
深く刻まれた二重瞼の線。
出来た影から逃れた下睫毛。
考え込む姿に、心が踊る。
彫像のように。
感情の乏しい皮膚が。
動き始めるのが、見えた。
「俺に媚びる人間は、俺を見ただけで、キラキラしたカオするんだよ」
匠の、その発言に。
自分の思い違いを知る。
「『一時だけくれればイイ』ってさ。ホント、愛想の欠片もねーな」