確信犯
八重の手が。
止まる。
“消去”、を選んでいくメールの中。
《無題》
DMじゃない。
登録済みのアドレスでもない。
けれど。
そのアドレスには、覚えがあった。
開けたいようで。
開けたくないような。
呼吸を整えて。
メールをクリックする。
《実は、貴女の日常の一言が楽しみになっていました。見えない敵が、とても多いもので。
お身体等、ご自愛下さい。 政宗》
八重の思考が。
一気に駆け巡った。