私と上司の秘密
走って家まで戻った。


『ユキとワタルに裏切られて、それを
知らなかったのは、結局、私だけ…。』


一週間くらいは、カーテンを閉めた部屋で、
泣いていた。


終いには、渇れて涙も出てこなかった。


ユキやワタルが、電話やメールで連絡して
きても、完全に無視していた。


ワタルが家に訪ねて来ても、居留守を使い、
最終的に、二人とは、着信拒否にした。


どんな言い訳も、二人の声も聞きたく
なかったから…。


そして、最終的に、仲の良かった友達も彼氏も、同時に失った。


4年生の後期は、単位も全部取ってあって、
大学に通う必要もなく、後は、卒業を待つ
だけの状態だった。


そのため、大学に顔を出すこともなく、
引きこもり状態で過ごすことが多くなった。
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