私と上司の秘密
「『私の』、好き、なんですね?」

自分の発言に恥ずかしかったので、私は、下を向いたまま、課長と目を合わさず、言った。


「そうだな。
『凛の』が、一番好きだな!」

私の脚を撫でた手を休めることなく、そう
言った。


私は、『一番』と言う響きに、妙な満足感を
得ながらも、それと同時に、私自身ではなく、
あくまで、『私の脚』が好きなんだという
思い…。


満たされながらも、空腹感にも似た満たされない思い…。


そうした相反する思いが、交互に襲ってきた。


『この感情は、いったい何だろう?』


その思いを打ち消そうと、課長の手を『ぎゅっ』と強く握りしめた。


そんな私を課長は、少し驚いた顔で見たが、
すぐに、笑顔に変わり、私が握っている反対の手で、何故か私の頭を優しく撫でた。


課長のその行為に少し、安心感を得た…。
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