優雅に舞う天使と花(加筆修正版:更新中)

すると

「…やっぱり、変わってるな。」

頭上から降ってきた言葉に

そっと顔をあげると

決して笑っている訳じゃないけれど

さっきよりは表情が幾分か穏やかな

赤羽さんが私を見ていた。


「…赤羽さん?」

その顔に少しドキッとしたけど

さっきよりは目つきも抑えられていて

少しホッとした。


「…はぁっ…全く。」

赤羽さんは大げさにため息をつくと

スーツの内ポケットから

携帯を取り出して開くと

「…おい、篠村、その手を離せ。
いつまでも俺のスーツを掴むな!!
それに、ぼんやりしてないで
お前も携帯を早く出せ!!
番号とアドレス交換するぞ!!」

と、私を見下ろしながら急かした。


「…えっ!?あの…その…。」

突然の事に状況を飲み込めない私に

「…お前は俺と友達になりたいんだろ?
だったら、番号とアドレス交換するのは
普通じゃねーのか?
嫌だったらいいぞ、別に。」

赤羽さんは携帯をいじりながら

私を睨みつけてきた。

< 39 / 142 >

この作品をシェア

pagetop