あまのじゃくな彼女【完】
「知らない・・・ちゃんと私は声かけた」
嘘じゃない。腕を囚われ小一時間、芽衣子は動揺したままベッドサイドにしゃがみこむしかなかったのだ。
ようやく手が緩むと、一応は揺さぶって名前を呼んでみたけど応答なし。濃厚キスの意味を問い詰めてやりたかったけど、病人を叩き起こすのは気がすすまず。とりあえずその場を逃げるしかなかったのだ。
「あ?ちゃんと起こして声かけたのか?」
「・・・うるさい」
冷静に話そうと試みるのを逆なでするこの男。どこがパーフェクトなんだ、どこが。
女心の分かってなさといい、この身勝手っぷり。
「うるさい、うるさい、うるさい!!」
もうほんと、知らない。
「・・・っざけんな、勝手な事ばっかり言って!!この二重人格ナルシスト男!!モデルの世話係でもマネージャーでも勝手にやってればっ。部下を勝手に巻き込まないでください、係長っ!!」
それだけどなりつけると、反応を確かめることもなくその場を去った。