あまのじゃくな彼女【完】


最悪な上司をほったらかしさっさとオフィスへ戻ると、無言でパソコンのキーボードに当たり散らした。



一足先にオフィスに戻っていた山下さん。係長にデータを預けていたのは本当だったらしく、


「吉村、係長からデータもらった?」

「知りません」

「あれ、吉村と会うからって言ってたんだけど。じゃあ後で係長にデータもらってさ・・・」

「知りません」

顔だけ動かし、くわっと目を見開きガン飛ばす。





「係長なんて知りません!!」

ドスのきいた低音でお伝えすると、山下さんはそそくさと逃げて行った。



私の背後では山下さんが「吉村がかつて無いほどにキレている」と千葉さんに泣きついているのが聞こえ、
「うーんなんでしょう、振られたんですかねぇ」とか適当な返事をしつつ、千葉さんが役得に喜んでいるのがわかったから放置しておいた。

まぁ、無理やり何があったか聞かれないだけマシだろう。


私が頑固なのをわかっている由梨は空気を読んで話しかけても来ない。とりあえずこの怒りが沈静されるまではまってくれそうだ。


< 168 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop