「異世界ファンタジーで15+1のお題」四
「ギリアスさん、どうかしてるんじゃないですか!
きっと、神父様やシスター・ロザンナは、大臣によってどこかに監禁されている…
だったら、今いる若いシスターっていうのは、大臣の手の者と考えた方が良いんじゃないですか?」

「しかし、それならもっと力のある者を置くのではないかな。
実は、以前、教会を閉鎖するという案も出たようなんだ。
だが、それには反対する者が多かった。
大臣の配下に入った者の中にもだ。
だから、大臣も仕方なく折れたのだし、神父様を殺すこともしなかったのだろう。
シスター達はちょっとした用のため…たとえば城で働いてる者が亡くなった場合や臨終間際の祈り等のために、置いてあるのだと思う。
だが、安心しきっているわけではない。
もしも、シスターがおかしな真似をした時は、私が責任を持って始末する…
リスクはあるが、とにかく今はシスターに相談する事しかロジャーを助ける手だてを思いつかない。
ライアン、私はなんとしておロジャーを助けたい!
どうか……わかってくれ!」

ライアンはその言葉に、すぐに返事はしなかった。
もちろん、ロジャーを助けたいという気持ちは強かったが、ライアンはそのことで国王救出に支障が出るのではないかと考えたのだ。



「……わかりました…ギリアスさん…
でも、シスターのことは頼みますよ。
絶対に油断しないで下さい。」

「兵士長の腕前は間違いない!
それに自分達もいますから、その点はご安心下さい!」

ケネスと呼ばれていた兵士がライアンの前に出て、力強くそう言い切った。



「とにかく、今はキルシュの帰りを待とう。
シスターが来てくれたら良いけど、もしも来なかったら、その時はここを離れる準備をしないとまずいんじゃないかな?」

「それよりももっと危険なのは、キルシュが捕まってしまうことだ。
キルシュがあやしいと疑われて捕まるか、もしくは跡を尾行けられたら…
その時は、ここで戦闘になるかもしれん。
剣を持っているのは私とジョーイだけだから、その場合は私達が戦う。
おまえ達はこの二人を守るんだ。」
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