恋するリスク
「西村先生のオレ様理論は理解できないからね。

真緒の心配もわかるけど・・・とりあえず、気持ちだけは伝えておいたら?

内緒で付き合うとか。」

「うーん・・・。」

ただでさえ、私と佐藤くんのことを疑っているのだ。

そんな西村先生をだまし通せる自信は・・・全くない。

でも。

私が返事をしないことは、佐藤くんを待たせることになるんだ。

そんなことさえ、思い至らなかったなんて。


(・・・待ってて、くれるかな。)


もう少しだけ。

どうしたらいいのかなって、考えたい。

考えて、「イエス」を伝える勇気が出来るまで。

わがままな気持ちだけれど、もう少しだけ・・・待っててほしい。


(佐藤くんは、どう思っているんだろう。)


傾けたグラスを味わいながら、私は、さわやかな彼の笑顔を思い浮かべていた。






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