恋するリスク
7月に入ったばかりの土曜日。

快晴の空には、楽しそうに飛んでいるスズメたちの群れ。

見上げるスカイブルーは気持ちがいいけれど、歩きながら流れてくる汗は、だらだらと止まらない。

そういえば朝のニュースでも、お天気キャスターが「今日は暑くなります」と日傘をさして言っていたっけ。


(なんで、動物園がいいなんて言っちゃったんだろう・・・。)


今日は、シャツを返すという口実の、2回目のデートの日。

佐藤くんは「映画でも観に行きますか?」と聞いてくれたのに、私は「至近距離で隣で2時間」という沈黙状態に耐えられる自信がなくて、なぜか咄嗟に「動物園がいい」と言ってしまった。


(よりによって、ほぼ屋外の動物園を選ぶなんて・・・。)


「ごめんね、この暑いのに動物園なんて。」

レッサーパンダを嬉しそうに眺めている佐藤くんに、私はハンカチで額を押さえながら呟いた。

「え?いえ。動物好きですし。」

さわやかな笑顔で答える佐藤くんは、本当に楽しんでいる様子で、私はちょっと安心する。

「・・・うん。そうだね。動物も佐藤くんのこと好きそう。」

「はは、そう見えますか?」

嬉しそうに笑う。

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