恋するリスク
夕方に近づくと、暑さはだいぶ、やわらいできた。

「全部見たかな?」

「そうですね。

覚えてないのもいるけど、ひと回りしたんじゃないですか?」

暑い暑いと言いながらも、途中でへこたれず、なんだかんだ楽しみながら動物を見て回った私たち。

出口に近づいた場所に設けられた広い芝生の上に、二人で並んで座っていた。

その距離は、園内のガイドマップ1枚分。

近すぎず遠すぎないその距離は、なんだかとても、心地いい。

「さすがに疲れたね。」

「ですね。でも楽しかったです。羊に囲まれる藤崎さんも見れたし。」

あの時の状況を思い出したのか、佐藤くんはうれしそうに言う。

「・・・ヒトデに続き、私、動物運みたいなものがないのかなあ。」

昼過ぎ、うさぎや羊に触れるというふれあいコーナーに行った私たち。

私は、触りたいうさぎには逃げられまくり、なぜか羊には取り囲まれるという、わけのわからない状態に陥った。

1、2匹なら羊だってかわいいものの、5,6匹に囲まれると、得体の知れない恐怖を感じ、またも「何とかして!」と佐藤くんに助けを求めたのだった。

「・・・言わないでね、みんなに。」

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