恋するリスク
その瞬間。

西村先生は私を抱き寄せると、唇を重ね、激しく深く私を求めた。

「・・・!!」

息が苦しい。

自然に涙がこぼれ落ちる。

過去に恋人だった人のキスは、今は、苦くて重い。


(私がいま、好きなのは・・・。)


佐藤くんの顔が浮かぶ。

「やっ・・・!」

西村先生の身体を力いっぱい押し退けると、私はリネン室を飛び出した。

「真緒!」

追いかけるように、私を呼ぶ声がする。

それでも私は、後ろを振り返ることはしなかった。
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