恋するリスク
今までの彼氏だったら、言うのも恥ずかしいし、言ったところで反対されるのが関の山だろうけど、佐藤くんなら付き合ってくれると思ったし、なにより一緒に観たかった。

「でも、女の子はいくつになってもこういう映画が好きなんだな。」

佐藤くんが私を見て微笑む。

私は「女の子」という単語に恥ずかしさを感じつつ、「いくつになっても」という言葉に引っ掛かりを感じる。

無口を貫いていると、彼は「いや、真緒が歳だとか言ってるわけじゃなくて」と、墓穴のような言い訳をする。

額をかいて様子を伺う姿がかわいくて、「わかってる」と言って私は思わず吹き出した。

「・・・なら、いいんだけど。」

相変わらず「まずかったかな」という顔の佐藤くんに、私は腕をぎゅっと絡める。

驚いた彼は、引っ張られるように一瞬よろけた。


(ふふっ。やっぱりかわいい。)


「行こ!」

「あ、ああ、うん。」

私は彼を見上げると、絡めた腕にもう一度ぎゅっと力を込めた。


映画が終わりロビーに出ると、お互いに顔を見合わせて笑う。

「目、赤いよ?」

「そっちこそ。」

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