恋するリスク
西村先生のことを考えて飲みすぎたのに、今は佐藤くんのことでドキドキしてる。

私は結構、軽薄な女なのかもしれない。


部屋の番号を伝えてエレベーターに乗る。

玄関の前に来たところで、佐藤くんは後ろの私を振り返った。


(!)


佐藤くんの頬に唇が触れてしまいそうになり、私はきゅっと口を結ぶ。

「カギ、出せますか?」

佐藤くんの左手にある、私のカバン。

私はそれを指さすと、「手前のポケットに入ってる」と告げる。

「じゃ、出しちゃいますよ。」

少しかがんで背中だけで私を支えると、佐藤くんは私のカバンから、なんとかカギを探し出した。

「開けますね。」

「うん。」

ガチャッと、カギが開く音がする。

「失礼します。」

私をおぶったまま靴を脱いだ佐藤くんは、そう言って中に入ると、私をリビングのソファに横たえるように降ろしてくれた。





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