恋するリスク
(・・・!うわ・・・!)


そのまま足元にかがみこんだ佐藤くんは、ストラップをずらしながら、私の靴を脱がせてくれる。


(こんなことさせるなんて・・・。)


朦朧としているのに、恥ずかしくて、申し訳なくてたまらない。

それでもやっぱり、頭も口もうまくは回らない。

「台所借りますね。」

一度玄関に靴を置いて戻ってくると、佐藤くんはそのまま台所へと向かって行く。

シンクに水が打ち付ける音が聞こえると、ほどなくして、水の入ったコップを私に持ってきてくれた。

「飲めますか?」

「うん・・・ありがとう。」

片手で私の背中を支えながら、ゆっくりと、私に水を飲ませてくれる。


(どうしよう・・・これはなんか・・・。)


佐藤くんがやさしいのは知っていたけど。

まさか、こんなにやさしくしてもらうなんて。

背中に触れている彼の手が、まるで素肌に添えられているかのように、妙にリアルにあたたかく感じる。

私の鼓動が、あり得ないほどに早まった。
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