恋するリスク
その後の記憶は全くないけれど。

今の状況を考えると、きっと、佐藤くんが私をベットに運んでくれたに違いない。

急いでベットを抜け出すと、私は走ってリビングへ向かった。


(あっ・・・!)


ソファで、佐藤くんがスーツ姿のまま眠っている。

「・・・!佐藤くん!」

思わず声をかけると、彼ははっと目を覚まして飛び起きた。

「うわ!すいません、そのまま寝ちゃって・・・。

あ・・・藤崎さん、体調、大丈夫ですか?」

起きたと同時に、私の身体を気遣ってくれる佐藤くん。

「うん・・・。ちょっと頭痛いくらいで・・・。

っていうか、迷惑かけたのにソファで寝かすとか・・・。」

スーツのままソファで寝るなんて、疲れが取れるはずがない。

「いえ、それはオレが勝手に・・・。

泊まるのはさすがにまずいだろうと思ったんですけど、

寝てる藤崎さんを置いてカギ開けたまま帰るのも・・・て考えてたら、

いつの間にか寝ちゃったんですね。」

頭をかきながら、「すいません」と謝る。

「そんなこと・・・。

私の方こそ・・・・・・その・・・。」





< 68 / 174 >

この作品をシェア

pagetop