恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「離して下さいよ! 飛び降りますから」
「ば! 馬鹿いえ! やめろ山田! 怪我をするだろ!」
「いいんですよ! 怪我すれば、会社も休めるし、課長ともキスしないで済みます!」
課長が私の腕をぎゅっと掴んでくる。
「わかった! わかったから、シートベルトをしろ!」
片手運転のためにふらつく車。
「嫌!」
「山田! キス無しでいい!」
「……」
課長を見る。眉間に皺を寄せる課長。
「本当に?」
「ああ」
「わかりました」
キス無しで良いなら、安心だ。シートベルトをして私はバッグから化粧道具を出した。
「山田、俺を脅したな」
「へ?」
鏡を見ながら、ベースファンデを塗りかけて課長を見た。