恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
医務室で熱を測ると、38度5分。
若い産業医が
「今日は、もう帰った方がいいでしょう。山田さんの上司に連絡しておきますから、少し休んでタクシーで帰るといいですよ」
と、言った。
「はあ、どおりで……」
熱を測って実際熱があると、余計に具合が悪くなる。
ベッドを借りて少し休ませてもらうことにした。
薬を飲んで頭を冷やしてもらうと、少しラクになりいつの間にか眠りに落ちていた。
とろとろとした意識の中で、私は薄く瞼を開けた。
ボヤけた視界に見えたものがあった。
ーーー? え? なんで?
「大丈夫? 気分どお?」
「あの……どうして……ここに?」
「あれ、ここはキミだけの医務室なのかな? 俺も、たまたま調子が乗らないからビタミン剤でも貰おうと思って来たんだけどね……思わぬ拾い物だったかな……」
微笑んだ表情は、目が細くなり優しそうだ。
思わず私も微笑みかえしながら、いつの間にか握られていた手に今更ながら気がついた。
「神島課長……手が……」
そう、誰かさんと違いさっぱりしたしょうゆ顔に私好みの厚めの唇。
神島課長が私のベッドの横に椅子を置いて座り、私の手をしっかりと握っていた。