恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜

課長お手製のおかゆを食べ、多少もつべきものは友、ではなく近くの他人だなと思った。

いや、遠くの親より近くの他人だったか?
まあ、どっちでもいい。他人でも役立つ時もあると言う話だ。
そんな風に私は朦朧とする頭で馬鹿なことを考えていた。


病気の時は、やはり気が弱くなる。
あの風変わりな課長でもいないより増しだった。

「鍵締めて早く寝ろ」
玄関まで課長を見送る。頭を撫でられてぼおっと課長を見た。

「お世話になりました。ありがとうございます」

ありがたいとは思い頭を下げながらも、私はどこか課長をまだ嫌っているようだ。

ーーー鍵締めたいから早く出てよ。いつまで病人を立たせとくのよ! ほんとに気が利かない。


面倒みてもらっても頭の中では、悪態をついていた。恩知らずな女だ。


課長が帰ると、薬を飲んで横になり私はすぐに寝入ってしまったようだった。


クゥーン

クゥーン


ーーーまただよ……どこの犬?


切なそうな犬の声、犬が廊下を走るような足音。

トロンとしながら、ベッドサイドの時計を見た。

ーーー3時45分。いつもこの時間? 一体この時間に何がある訳? 散歩なの? 早過ぎるって!


どこの部屋かわからないが、私の城であるこのマンション。


じっくり選んで決めたのに。まさか、どこの部屋に住んでいるのかもわからない犬に毎朝起こされるなんて……。


完全に目が覚めた私は、喉の渇きを潤そうと体を起こして課長が置いていったイオン飲料のペットボトルを手にした。

ごくごくと飲み始めて、ふと寝室の扉に目をやる。何か黒い物体があるように見える。

目を凝らすと、その物体が微かに動いた気がした。


「ひっ!」

ーーー何かいる! 嘘でしょ!


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