恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「…コーヒー、出来たか?」
「え? ああ、せっかちですね。今出来ますよ」
手の上に置かれた課長の大きな手をもう片方の手を使い排除する。
「課長、どうぞ」
コーヒーが注がれたカップを課長に渡した。
「ありがとう。山田」
カップを取る時に、わざととしか思えないくらいに指が触れた。
ーーーわざとらしい。
軽く睨むと、課長がテーブルの前に立つ私の顔近くに近づきながら、手を伸ばして砂糖のスティックとコーヒーミルクを取る。
「ちょっと、失礼」
「……」
ーーーわざとだよ。絶対にね。
「帰り、送るからな。お前が何と言ってもだ」小声で言われた。
「だから、結構ですって」
「山田、いい忘れたが俺は、霊は信じないが見たことはあるんだ」
「え? マジですか? 見たことがあるくせに信じない? ……ややこしい人ですね。相変わらず。見える人なら見えるって……やだ、早く言って下さいよ。今朝、私の家でなんか見えました?!」
勢いこんで聞くと、ゆったりとコーヒーに砂糖を入れて混ぜながら課長が微笑んだ。
「知りたいか?」
「もちろんですよ!」
「帰り、俺と帰るなら教える」
ーーーうっ、そうきたか。来るとは思っていたけどかなり卑怯だ。