恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「あの……つまらない訳じゃなくて」
「じゃあ? 上野が気になる?」
ーーー上野課長? まさか。私にしたら、残業になって後から合流すると言っていた上野課長のことなんかはどうでもいい。
私好みの顔をした神島課長に見つめられ手を握られている状況に置かれ、全身が緊張の塊になっていた。
「……まあ」
でも、私と上野課長は付き合ってるふうに噂されているから、どう答えるべきか迷っていた。
「可愛いよな……ユイカちゃんって。上野なんかやめて俺にしたら?」
冗談なのか本気なのか判断がつかない表情してる。
「あ、その顔。ジョークだと思ってるな?」
神島課長が私の手を自分の左の掌に乗せて右手の指で私の爪にゆっくり触れる。
「爪、綺麗だね。指も……細くて俺好み」そう言って私の爪の先から指の付け根まで一本一本丁寧に触れるか触れないかの微妙なタッチで触る神島課長。
ゾゾってきた。
ゾクって言うより、私はこの奇妙な状態にチキンになっていた。
完全に鳥肌ものだと言う意味だ。
普段味わうことのない緊張と誘い込まれてしまいそうな妖艶な世界にお酒まで入って、気絶しそうな位に呼吸が苦しかった。