恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
時刻は、午前4時。
課長の家に再び来ていた。
「ほら、飲めるか?」
私の前に白いマグカップが差し出された。
マグカップを受け取ったが、すぐには飲めそうになかった。
マグカップに入ったホットココアに視線を落とす。まだ、小刻みに震える手のせいで、ココアが波立っていた。
ーーーあの犬は、だんだん距離を縮めてきた。枕元まで来たし。しかも、生まれて初めて金縛りにあったんだけど!!
震える私の手を前から包みこむように手で覆う課長。
「課長……どうすればいいの? 私、どう考えても犬になんか悪いことした記憶ないし!」
課長に訴えても仕方ないことだが、黙っていられなかった。
「ああ、わかってる。お祓いの前に不動産に話してみよう。過去に何かあった部屋かもしれない」
「課長! そんなのやだ! だって、課長、私の城なのに。犬に乗っ取られるのなんか許せない!」
ーーー私が買った私の城だ。後から出てきて怖がらせるなんて卑怯すぎる。
いや、待って。もしかしたら犬が先で私が後?
「それに、おかしいのが水だ」
ーーーさっきから水、水ってなによ! それどころじゃないじゃん。
「さっきお前の家へ行ったのは、天井から水がポタ……ポタっと……」
「ひぃ〜!!」
完全にビビりまくりだった。課長の話し方が悪い。怖がっている人に向かって、水がポタ……ポタっと……って! 怪談話か! 稲川淳◯か!
私は、ソファの上に膝を抱えて丸くなった。