現代のシンデレラになる方法



彼が私の体に跨ると、シャツを脱ぎ始めた。

その様子がたまらなくセクシーで、恥ずかしくてつい目をそらしてしまう。


今までにない位のドキドキ。

目の前には無駄な脂肪が一切ない体。

ちょっとシャニ系な顔のくせにちゃんと引き締まってる。

何度だってその体を見てきたはずだ。

だけどこんなに胸が高鳴るのは初めて。



昴のその瞳や、その手つき、その表情の全てから昴なりの優しさが感じられた。

だけど、なんとなくそれが、こそばゆくてたまらなかった。


もういきなりそんな優しくするの卑怯、本当照れる……っ。



「ちょ、ちょっと、待って!」

耐え切れず、待ったをかける。


「何?」


あぁ、頭が追い付かない。

なんでこんなに優しいの?

私だってそれなりに経験してきてる。

だけど、こんな緊張感は初めての時以来じゃないだろうか。

本当に好きな人との初めてってこういうものなのか。


「ここでおあずけとかやめてよ。俺もう色々おさまりきかないし」

「分かってるよ……っ。分かってるけど」


あれ、優しくしてくれるんじゃなかったの?

いや確かに、以前の昴に比べたら優し過ぎる位だけど。

だから私が根を上げたら、嫌味を言いながらも、頭を撫でて笑って了承してくれると思った。


しかし昴は手を止めるつもりはないらしい。

さっきまで私の体に触れるのを躊躇っていたくせに、少し調子にのらせたらこれだ。


彼の顔からは、獣のような男の本能が垣間見え始めてる。


年上の余裕なんて皆無。

それからは、ただ昴に身を任せた。



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