現代のシンデレラになる方法



その夜結局キスすらせず、先生の腕の中で寝た。


翌朝いつも通りの先生。

私もなるべく平静を装ったけど、できなかったという罪悪感と申し訳なさで心苦しかった。


そして家に帰ってすぐ、みーちゃんに連絡する。

もちろん事の顛末を報告するため。

そして新しくできた悩みを聞いてもらうため。


「どうしよう、みーちゃん。私、できなかった……っ」

『どうして?』

「それが分かんないの……っ。でも、先生なのに怖くて仕方がなくて」

『ふーん。それさ、むしろ先生だから無理ってことない?好きな人に全部見られて恥ずかしいとか』

「それはあるかも……」

『お姉ちゃん、大好きな先生が全部初めてなんでしょ?男の人に裸見られるのも、触られるのも。少し他の男で免疫つけとけば?』

「何言ってるの、先生とじゃなきゃできないよ!」

『その先生とできなかったから悩んでるんでしょ?練習だと思ってさ、バレなきゃ大丈夫だって』

「でも、そんな先生を裏切るようなこと……」

『適当な男で処女捨てちゃいなよ。処女なんてね、男からしたら厄介なだけなんだから』


厄介……?

やっぱり、めんどうなものなのだろうか。


「そんな我慢させてたら、本当に捨てられちゃうよー」


捨てられる……。


そんな戸惑いが誤った選択をしてしまうことに。

決して先生を信じていない訳じゃない。


だけど私の意気地なさに自分でも腹が立つ。

これでは先生に飽きられても仕方がない。


先生に振られる。


それがただ怖かった。



そんな過ちを犯して先生が傷つくことなんて考えられなかった。


いつもなら先生のことが何より一番に優先してきたのに。


その時の私は自分のことで頭がいっぱいだった。





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