現代のシンデレラになる方法
「だから、昴が一言好きって言ってくれたら全部解決するんだって」
……なんだそれ。
そんな言葉一つで信用できるものなのか。
それより、こうやって迎えに来たりすることの方に愛を感じたりするもんじゃないのか。
しかもこっちは男からのメールに耐えきれず、分かりやすい程嫉妬してるのに。
そういうの見てても、まだ自分は愛されてないと感じるのか。
正直、そんなこっぱずかしい台詞言いたくないっていうのが本音のところ。
ストレートに恋愛感情を表現する外人ならともかく、俺は生粋の日本人だ。
そんな歯の浮くような台詞は言えない。
たとえ、好き、の一言でさえ抵抗がある。
しかし言うまで目をそらさないというように、綾子さんが運転する俺の横顔をじっと見つめてくる。
これじゃ、いくらなんでも居心地が悪い。
……しょうがない腹くくるか。
「好きです、心から愛してます」
抑揚なく言うと、横から綾子さんから冷たい視線が。
「却下」
「はぁ?言うだけでいいって言っただろ?」
「全然心がこもってないもん、ほらやり直し」
「あーもう、だから、好きだってば。これでいいだろ?」
「はい、却下ー」
イラっとくるも、ぐっと抑える。
その後も何度か、促されるまま適当に好きだとか愛してるだとか言ったが、結局最後までOKはもらえず。
そんなやり取りを繰り返しているうちに、綾子さんの家へ着いた。
きっと2度と、こんな台詞を1日に何回も言わされることはないだろう。
げっそりしながら、やっと解放されたとほっとしているところ。
「まだ終わりじゃないでしょ?」
とにこやかに言う綾子さん。
「……マジで?」
そのまま部屋に連れて行かれ、強制的にさっきの続きをさせられる。