現代のシンデレラになる方法


なんでこう何度も言わせたいんだ。

てか、どんだけ不安なんだよ。

まぁ、あの結婚式の友達に色々言われたんだろうけど



「もう、いい加減にしてくれよ。どんだけ不安な訳?そんなに俺が信用できない?」

苛立ちを隠せず、綾子さんにそう聞く。


「いや、そういう訳じゃなくて……」

「じゃ、どういう訳?」


するとしばらく困ったような顔をして押し黙ってしまった。

その表情を見つめながら返事を待つ。

やがて綾子さんが小さな声で言った。


「……昴はまだ若いからいいけど、私はもう後がないからどうしても不安になるんだもん」


そう言って、俯く綾子さん。


「だから、お願いちゃんと言ってよ……あたしだけだって」


そのか細く頼りない声に、衝動的にキスをした。

しかし、綾子さんに胸を押されて拒絶される。


「ご、ごまかさないで…っ」

すると、綾子さんの目から涙が零れた。


「昴、言ってよ、お願い……っ」


別に誤魔化したつもりはなかった。

ただ、したかったから、しただけだけであって。


でも、欲しいのはキスじゃない、言葉なんだと。綾子さんは、まるでそう言っているようだった。


だけど、どうせ、何を言っても信用しないだろうが。



「……綾子さん、顔上げて。そんなに泣く程不安?」


そう聞くと、ゆっくり頷く。


「綾子さんが俺に告白した日のこと覚えてる?」

「……うん」

綾子さんは、突然、何を言い出すのというように俺を見つめる。


「……俺は正直、綾子さんに告白された時、また本気で人のことを好きになるのが怖かった。だけど綾子さんのおかげで、また本気で人を好きになることができたんだよ」


そう、あの日、自分に問うた答えはYesだった。

あの日、綾子さんが俺を信用させてくれたように、俺も綾子さんに信じて欲しい。

そう心を込めて、きっと二度とないであろう真剣な告白。


「俺も綾子さんだけだから。もう綾子さんしか考えれない。好きだよ、綾子さん」



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