現代のシンデレラになる方法



その帰り道、外でご飯を食べてから先生の家へ帰った。


そして夜。


いつも通り一緒にベッドで眠る。


あの一件があってから、先生から私の体に触れてくることはなくなった。

きっと、私を焦らさないように気を遣ってくれいるようだった。


多分、これは私から言い出さないと、先生からしてくることはないだろう。

きっと優しい先生だから、私の心の準備が整うまで待っていてくれているんだ。

しかし自分から切り出すには、絶対に最後までやるっていう覚悟がないと……。


「……何、どうした?」

私の視線に気付いたのか先生がうっすら目を開けて尋ねてきた。


……今度こそできるだろうか、先生と。

私は決心して、先生の方を向きベッドの上に正座する。


「わ、私、きっともう大丈夫です……っ」

それがどういう意味か分かった先生は、体を起こして私に向き合う。


「すいません、大変お待たせしました……っ」

そう言って頭を深々と下げた。

「い、いや」

「先生、今度こそよろしくお願いします」


顔を見れずに、そのまま頭を下げたままでいる。


「……本当にいいのか?」

しばらくすると、先生が心配して声をかけてくれた。

頭を上げてはっきりと答える。


「はい」

「俺に気を遣ってるなら……」

「大丈夫です、私も先生としたいんです」


そう言って笑うと、先生に腕を引かれ抱き寄せられた。









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