現代のシンデレラになる方法


なんで、そんなに倒れるまで当直を詰め込む必要があったの。

思わず飛び出してきてしまったため、聞けなかった。

今更私のプレゼントのためってことはないだろうし。

そんなに早急にお金が必要になることがあったの……?


その日久しぶりに昴が家に帰ってきた。

今日倒れたことで懲りたのか。
これで当直の回数が減るといいけど……。



お互い静かにご飯を食べた。
昴が帰ってきたから、私は久しぶりにご飯を作ったのだ。

いつもだったら、まずい、なんだこの組み合わせは、ありえない、そんな言葉を好き放題ぶつけてくるのに。

今日は静か。

黙々と口に運んで行く。

切り出したのは私からだった。

「……なんでそんなに当直頑張ってたの?何かお金が必要だったの?」

「うん、だけどもうこんなに詰め込まないから」

……理由は言ってくれないんだ。
ここでまた聞けばきっと昴は黙る。

きっと言いたくないことのようだから。


私達は何でも言い合える仲だったはず。
それなのに、こんなに気まずくなってしまうなんて……。



夜、一緒に布団に入った。

すると早々に昴から手を握ってきた。
思いがけない行動にドキっとしてしまう。緊張して、手に変な力が入った。



……昴、私はあんたが浮気してようと、私にも言えないことを影でやってようとこの気持ちは変わらないんだよ。

ちょっと寂しいけど……。

また、笑顔で話せるようになりたい。

そう願いを込めて眠りについた。


< 173 / 196 >

この作品をシェア

pagetop